脳を正常に働かせるために質の良い睡眠を取ることは、非常に重要である。脳は起きている時に多くのエネルギーを消費しており、激しい活動が続くと脳は疲労し、その結果として心も体も上手く働かなくなってしまう。そうならないためにも、脳には快適な休息時間を与えなければならない。
そのために重要なポイントとなるのが、快適な睡眠をもたらす環境づくりである。どうしても短い睡眠時間しか取れないというビジネスパーソンにとって、心身を正しく機能させるために整えるべき環境として「適度な暖かさ」「適度な暗さ」「寝具の肌触りの良さ」が挙げられる。また、この三つは母親の胎内にいた時の条件と似ている環境でもある。
ベッドから窓までの距離も、適度な暖かさや、適度な暗さを作り出す照明を考える時には重要だ。つい窓に近いところにベッドを置いてしまいがちだが、あまりに窓に近すぎると外気温の影響を受けやすくなるので注意が必要だ。また、寝具の肌触りの良さや機能性の良さはシーツや毛布だけに求めるものではない。ベッドに入る前や出る時のことも考慮に入れてラグを用意したり、自分の首の形に合った枕を使用することもポイントである。
現代人の大半はファッションやグルメを堪能することにはアンテナを張るが、良質な睡眠環境にまではなかなか意識が向かないものだ。しかし、人は毎日多くの時間を睡眠に費やしているからこそ、自分にとっての快適な睡眠を得るために環境を整えることが重要なのである。